2008年4月1日

〜アジアの一員として、途上国の食糧問題の自主解決を目的に食品科学研究員を支援し、
「食と健康」領域でのネットワークを構築〜

2007年度「国連大学キリンフェローシップ」プログラム修了式開催および
2008年度フェローが決定

 キリンホールディングス株式会社(社長 加藤壹康)は、本日4月1日14時より、国際連合大学本部(東京都渋谷区)にて当社代表取締役常務取締役 松沢幸一が出席のもと2007年度「国連大学キリンフェローシップ」プログラム修了式を開催します。2007年度のフェローによる研究成果の発表と修了式を行なうとともに、新たに5名の2008年度フェローをバングラディッシュ、インド、モンゴル、フィリピン、タイの5カ国から1名ずつ受け入れます。
 当社では、これまでの支援を通して培ったアジアの研究開発人材のネットワークを活かし、アジア地域の「食と健康」領域での価値提案につなげていきたいと考えています。

 近年、アジア諸国は大きな経済発展を遂げていますが、同時に途上国における慢性的な食糧不足や、人口増加、食生活の変化にともなう需給バランスの崩れなど、多くの食糧問題を抱えています。このプログラムでは、フェローたちが食品科学分野における基礎研究・応用技術の研究を行い、習得した知識と技術をそれぞれの国で普及させ、社会に貢献することを目的としています。
 「国連大学キリンフェローシップ」に参加する研究者は、アジアの各大学や研究機関の推薦を受けた優秀な代表者の中から、国際連合大学とその提携機関の一つである独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所(茨城県つくば市)により選出します。フェローたちは、その研究所で1年間の研修活動を行うほか、学会・国際シンポジウムなどへの参加を通じて見聞を広め、ネットワークを構築します。また、当社の研究所・工場ならびに国内の大学研究室などへの訪問を通じて、日本の文化や社会についての理解も深めていきます。1年間の研修活動を終えた後も、帰国後2年間にわたって研究開発に要するフォローアップ支援費を支給することで、日本とアジア諸国との学問領域を超えた長期にわたる交流に貢献している点が特長です。
 2008年度のフェローも、自国で取り組んできた研究テーマを日本での研修を通してより深めていきます。また、当社はこれまでフェロー支援を通して培った研究者・識者のネットワークを活用し、各国研究機関との「アジアR&Dネットワーク」を構築し、知見を一層高めることで、「食と健康」領域での価値提案につなげていきたいと考えます。

 当社は、アジア・オセアニアの「食と健康」を事業領域とするグループとして、これまで培った技術力をもとにお客様の生活価値の向上に貢献することを目指しています。キリングループは、「おいしさを笑顔に」をグループスローガンに掲げ、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案していきます。

「2007年度フェロー(2007年4月〜2008年3月修了)」

・ラーマラクシュミ クラトゥラーン <インド>
所属
:国立中央食品技術研究所 技術担当官
研究テーマ
:低品質コーヒー豆の有効成分抽出
・ディン チャンフ <中国>
所属
:河南工業大学 副教授
研究テーマ
:バイオエタノール製造に用いる酵母の特性解明
・チメッドレグゼン ナランゲレル <モンゴル>
所属
:モンゴル科学技術大学 研究員
研究テーマ
:乳製品の製造工程の高度化に関する研究
・ファム ノゥック ユエ <ベトナム>
所属
:ポストハーベスト技術センター 研究員
研究テーマ
:高品質健康食品の製造に関する研究
・ニーパット リムサングァン <タイ>
所属
:カセサート大学 食品開発研究所 研究員
研究テーマ
:エクストルージョン工程による高機能性米製品の開発

「2008年度フェロー」(2008年4月〜2009年3月)

・ナズマ シャヒーン <バングラディッシュ>
所属
:ダッカ大学 教授
研究テーマ
:バングラディッシュの食品の機能性の探索
・ウメーッシュ ヘッバー <インド>
所属
:国立中央食品技術研究所 研究員
研究テーマ
:新規加熱加工技術を活用した高品質食品の開発
・ムンクツェツェグ バーター <モンゴル>
所属
:モンゴル科学技術大学 研究員
研究テーマ
:食品の無機成分の分析に関する研究
・レイチェル ラモス エラノ <フィリピン>
所属
:国立食品開発センター 研究員
研究テーマ
:新鮮な農産物中の食中毒菌および腐敗菌の検出と制御
・プラムアン サイトーン <タイ>
所属
:カセサート大学 食品開発研究所 研究員
研究テーマ
:バイオエタノール製造に適する酵母の改良