2008年4月25日

「ビアガーデン」に関する意識調査結果

調査概要
  • 1.対象:全国20歳以上男女 有効回答数:5,044名
  • 2.方法:インターネット調査
  • 3.期間:2008年4月4日〜6日
(1) 「あなたは今年の夏、ビアガーデンに行きますか?」(単一回答)
・「必ず行くつもり」「機会があれば行きたい」「誘われたら行く」をあわせると全体で90%以上。
(2) 「ビアガーデンには誰と行きますか?」(複数回答)
・「友人」「家族」などの“プライベート”が主流だが、20代男性は、昨年の調査と比較すると、「会社の上司・部下」「会社の同僚」などの“仕事関係”が11ポイント増加している。
(3) 「どんな時に行きたくなりますか?」(複数回答)
・どんな時に行きたいかでは、「おいしい生ビールが飲みたい時」(60%)が最も高く、「30℃を超える真夏日」(55%)、「開放感を味わいたい時」(37%)と続く。
・年代別では、20代が「コミュニケーションをとりたい時」(48%)が高く、昨年比で8ポイント増加した。
(4) 「行ってみたいビアガーデンは?」(複数回答)
・「ビールが冷えていておいしい」(66%)がトップ。続いて「料理が凝っていておいしい」(48%)「緑に囲まれ自然を感じる」(47%)と続く。
・昨年との比較では「料理が凝っていておいしい」が4ポイント増加となり、料理への関心が高まっていることがわかる。
(5) 「頼みたい料理は?」(複数回答)
・「ビアガーデンの和風定番メニュー」(85%)が昨年より9ポイントと大幅増。3位に「低カロリーメニュー」(46%)が入るなど、健康志向がうかがえる。
(6) 「予算はいくらですか?」(自由回答)
・平均は3,747円で、昨年と比べて減少した。
(7) 「ビアガーデンの楽しみ方や必須アイテムは?」(複数回答)
・ビアガーデンを楽しむために様々な準備をしていることが分かり、男女の違いも見られる。

<日本のビアガーデンの歴史>

 一般にビアガーデンの起源というと、1953(昭和28)年に大阪第一生命ビルにオープンした屋上ビアガーデン「ニユー・トーキヨー」と言われているが、必ずしも屋上ではなく、“屋外でビールをジョッキで飲む”という概念でとらえれば、「ビアガーデン」の起源は明治時代までさかのぼることになる。
 日本のビアガーデンの歴史は国産ビールの歴史と同様、横浜で始まった。1875(明治8)年には横浜山手のスプリングバレー・ブルワリーの敷地内で「スプリングバレー・ビアガーデン」が開かれていた。主な客は居留地の外国人で、ガラス製のジョッキやトタンのような素材でつくった容器でビールを提供していた。
 明治から昭和初期にかけて、ビールは少しずつ人々に飲まれるようになり、「ビヤホール」「カフェー」「バー」など様々な名称でビールを提供する飲食店が登場した。当時は、業態の名称にこれといった定義もなかったため、屋外でビールを提供する飲食店を「ビヤホール」と称したものもあったようである。
 昭和30年代から40年代にかけて、デパートや駅前ビルなどの、いわゆる「屋上ビアガーデン」が全盛を迎える。夏といえばビアガーデンというイメージが定着したのもこの頃である。また、ビアガーデンの隆盛によって、屋上以外の公園や観光地などでもビアガーデンの通称でビールを提供する場所が増えた。
 1980年代になると、それまでとは異なる個性的なビアガーデンが増えた。特大テレビでスポーツ中継を放映するビアガーデンや、森や公園の中につくられたビアガーデン、外国の料理や色とりどりのビアカクテルなど個性的なメニューを提供するビアガーデンも現れた。
 現在では、趣味や嗜好、生活価値が多様化し、ビアガーデンの楽しみ方も一層多様化していると思われる。女性客が大幅に増え、仕事関係だけでなくプライベートでも楽しみ、ビールと一緒に楽しむ料理の種類も広がっている。今年の夏も、ビアガーデンは大人の夏の定番として、人と人とのコミュニケーションの場を提供し、日常や仕事から解放される癒しの場となるに違いない。

参考文献: 『小学館日本大百科全書』小学館