2008年11月17日

ライオンネイサン社とコカコーラ アマティル社における全株式取得に向けた交渉について

 キリンホールディングス株式会社(社長 加藤壹康 以下KH社)の連結子会社であるライオンネイサン社(豪州シドニー市、CEO ロブ・マーレー 以下LN社)は、2008年11月17日、オセアニア最大の飲料会社であるコカコーラ アマティル社(豪州シドニー市、会長 デイビッド・ゴンスキー 以下CCA社)の全株式取得および両社の統合に向け、交渉中であることを発表しました。本件が成立した場合、当社は統合新会社の実質支配基準を満たす、47.5%の株式を取得し、同社を連結することになります。なお本件は、実施に際してCCA社株主の賛同が必要な「スキーム・オブ・アレンジメント」という手法を採択しています。

 当社は、本件の実現を通して、ビール、清涼飲料、ワイン、スピリッツなど幅広いカテゴリーの代表的ブランドを保有するオセアニアにおける綜合飲料企業を創出し、同エリアのお客様へ新たな付加価値をご提案することを目指します。

■ 本件の概要

  • ・ LN社が提示したCCA社買収金額は、総額約80億豪ドル(約4,880億円)。
  • ・ CCA社株主に対する対価の支払いは、現金、LN社株式、現金とLN社株式の組み合わせのいずれか選択可能。
  • ・ LN社は、CCA社株主の受取対価として、約45億豪ドル(約2,745億円)の現金およびLN社株式約346百万株を提示。
  • ・ 買収対価のうち現金部分の調達は以下を予定:
    • LN社の株主総会における承認に基づく、KH社を引受先とする総額37.6億豪ドル(約2,294億円)の第三者割当増資により、大部分の現金を調達予定。この取引によりKHはLN社の普通株327百万株を取得予定。
    • 一部についてはLN社の負債による調達を予定。
  • ・ 本件は、LN社およびCCA社の株主総会における承認、豪州およびニュージーランドの公正取引委員会、ならびに、外国投資審査委員会等の審査を含む規制当局の承認を必要とする。
  • ・ なお、本件はLN社とCCA社間での統合であり、KH社の他事業会社は含まれない。
    1豪ドル=61円(2008年11月13日現在)

 当社は、長期経営構想KV2015で、アジア・オセアニアのリーディングカンパニーを目指すことを目標として掲げており、同地域において収益性を重視した「食と健康」領域での事業戦略を推進しています。
 CCA社は、オセアニア最大の飲料事業会社であり、コカコーラブランドをはじめとする炭酸飲料、機能性飲料、食品などの製造・販売を行っており、強い販売網と豪州全土を網羅した物流機能を持っています。キリングループは、CCA社を経営統合することで、オセアニアでの綜合飲料戦略を推進し、さらなる成長を目指します。

 キリングループは、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案する企業グループとして、お客様の期待に応える様々な取り組みを続けていきます。

コカコーラ アマティル社 概要

1.社名 コカコーラ アマティル社 (Coca-Cola Amatil Limited)
2.本社所在地 オーストラリア ニュー・サウス・ウェールズ州 シドニー市
3.代表者 デイビッド・ゴンスキー(David Gonski)会長(Chairman)
4.純資産および総資産 約14.4億豪ドル(約878億円)※1(2007年12月末時点※2
約46.4億豪ドル(約2,830億円)※1(2007年12月末時点※2)
5.売上高営業利益当期利益 約40.2億豪ドル(約2,452億円)※1
約6.5億豪ドル(約397億円)※1
約3.7億豪ドル(約226億円)※1(2007年12月期※2
※1 1豪ドル=61円(11/13時点)  ※2 CCA社の決算期は12月
6.従業員数 約15,666人(2007年12月末時点)
7.事業内容 飲料事業(1位)、食料品・サービス事業
※( )内の順位は2007年豪州内市場シェア。
8.主要ブランド 自社ブランド:カークス(Kirks)、ディープ・スプリング(Deep Spring)
ライセンス:コカ・コーラ(Coca-Cola)、リフト(Lift)、スプライト(Sprite)、 ファンタ(Fanta)、パワーレード(Powerade)
9.製造拠点 計26工場(オーストラリア9工場、ニュージーランド5工場、フィジー1工場、インドネシア10工場、パプアニューギニア1工場)
10.沿革
1904年:British Tobacco Company(Australia)Limitedとして設立
1964年:Coca-Cola Bottlers(Perth)Pty Ltdを買収
1977年:Amatil Limitedに社名変更
1988年:フィジー・ニュージーランドにおけるコカ・コーラのボトリング事業を買収
1989年:Coca-Cola Amatil Limitedに社名変更
The Coca-Cola Companyが大株主となる
1991年:パプアニューギニアにおけるコカ・コーラのボトリング事業を買収
1998年:ヨーロッパにおける事業を分割(現Coca-Cola Beverages)
2005年:Grinders Coffee、SPC Ardmonaを買収
Parmalat Australiaのノーザンテリトリー州における飲料事業を買収、オーストラリアにおけるコカ・コーラ製品の単 独ライセンシーとなる
2006年:SABMillerと合弁会社Pacific Beveragesを設立、アルコール飲料の製造・販売を開始

ライオンネイサン社 概要

1.社名 ライオンネイサン社(Lion Nathan Limited)
2.本社所在地 オーストラリア ニュー・サウス・ウェールズ州 シドニー市
3.代表者 ロブ・マーレー(Rob Murray)CEO
4.純資産および総資産 約8.3億豪ドル(約506億円)※1(2007年9月末時点)
約26.2億豪ドル(約1,598億円)※1(2007年9月末時点)
5.売上高および営業利益当期利益 約19.7億豪ドル(約1,202億円)※1
約4.7億豪ドル(約287億円)※1
約2.8億豪ドル(約171億円)※1(2007年9月期)※2
※1 1豪ドル=61円(11/13時点・当社決算取り込みレートとは別) ※2 LN社の決算期は9月
6.従業員数約2,764人(2007年9月末時点)
7.事業内容ビール事業(2位)、その他アルコール飲料事業
※( )内の%は2007年豪州内市場シェア。
8.主要ブランドスタインラガー(Steinlager)、フォーエックス(XXXX)、ライオンレッド(Lion Red)、トゥーヒーズ(Tooheys)、ハーン・プレミアム(Hahn Premium)
9.製造拠点計11工場(オーストラリア5工場、ニュージーランド6工場)
※ワイナリーを除く
10.沿革
1860年: ライオンブランドによるビール製造開始
1924年:10のビール工場を合併し、ニュージーランドビール社を設立、後にライオン社と改名
1988年:ニュージーランド最大の小売店で、飲料メーカーでもあるネイサン社と合併、ライオンネイサン社に改名
1990年:オーストラリアのナショナル・ブルーイング・ホールディング社(スワンブルワリー、キャッスルメインブルワリー、トゥーヘイズブルワリーの保有会社)の株式を50%獲得
1991年:ナショナル・ブルーイング・ホールディング社の残りの株式50%を獲得
1993年:サウスオーストラリアブルワリー、ハーンブルワリー買収
1995年:Taihushui breweryへの出資を通じて中国市場へ進出
1998年:キリンビールによる資本参加
2000年:本拠地をニュージーランドからオーストラリアに移動
2002年:ニュージーランドのワインメーカーであるWinter Hillsを買収
2004年:中国におけるビール事業を売却
2008年:タスマニア州のビールメーカーであるJ Boag & Sonを買収