2009年4月27日
ライオンネイサン社の完全子会社化に関する基本合意について
〜ライオンネイサン社取締役会が、当社による完全買収提案への賛同を表明〜
キリンホールディングス株式会社（社長 加藤壹康）と４６.１３％※１の株式を保有する連結子会社のライオンネイサン社（豪州・シドニー市、ＣＥＯ ロブ・マーレー 以下ＬＮ社）は、ＬＮ社株式のうち、当社未保有分である２８７,７８６,２２０株（発行済株式総数の５３.８７％※１）の取得について、２００９年４月２６日に基本合意しました。
当社は、１９９８年４月にＬＮ社へ資本参加して以来、オセアニアにおける綜合飲料グループ戦略を推進すべく、協働で様々な施策を展開しており、本件の実現を通して、そのスピードをさらに加速させるとともに、当社が目指す海外事業の収益性向上を推進します。
本件は、実施に際して、当社以外のＬＮ社株主および豪州の裁判所による承認が必要な「スキーム・オブ・アレンジメント」という友好的手法を採択しています。今回のスキームが承認・実行された場合、当社は、既保有分のＬＮ社株式とあわせ合計で５３４,２４０,４９５株（発行済株式総数の１００％※１）を保有することになります。なお、ＬＮ社は上場廃止となる予定です。
当社は、未保有分のＬＮ社株式２８７,７８６,２２０株（発行済株式総数の５３.８７％※１）を、市場から「スキーム・オブ・アレンジメント」で取得し、買付価格は１株につき１１.５豪ドル（約７９９円※２）、買付けに要する資金は、約３３億豪ドル（約２,３００億円※２）です。また当社は、ＬＮ社が、当社を含む全ＬＮ社株主に対し、２２セント（約１５円※２）の中間配当に加えて５０セント（約３５円※２）の特別配当を実施することを合意しました。これらの配当は税控除対象です。また今回の株式取得により、当社ののれん償却前１株当たり当期純利益は、増加する見込みです。
なお、当社以外のＬＮ社の取締役で構成された委員会が、当社からの提案を慎重に検討した結果、ＬＮ社の取締役会は、当社による全株式取得に対し全会一致で賛同するとともに、ＬＮ社の株主に対して、当社による株式取得を推奨することを表明しています。
また、当該案件は、規制当局その他の同意をはじめとする一般的な取引条件を満たすことを前提にしています。当社およびＬＮ社は、７日以内に買収契約を締結すべく、今後、協議を進めていきます。
- ※１ 発表日時点におけるＬＮ社株式数に基づく ※２ １豪ドル＝６９.５円（２００９年４月２４日現在）
当社は、長期経営構想ＫＶ２０１５で、アジア・オセアニアのリーディングカンパニーを目指すことを目標として掲げており、同地域の「食と健康」領域において収益性を重視した事業戦略を推進しています。
ＬＮ社は、オセアニアにおける２大ビールメーカーの一角を占めており、継続した成長と、安定的な事業収益確保を続ける優良企業です。今回、ＬＮ社を１００％子会社化することで、当社が同地域で展開する乳事業および飲料事業とのグループシナジー創出を加速させると同時に、総売上高５６億豪ドルを超えるオセアニアで最大規模の綜合飲料食品グループによる新たなグループ経営を開始します。加えて、これまでも主要事業会社であったＬＮ社の現経営陣も、当社とともに豪州におけるグループ経営に直接参画することで、これまで以上に、豪州綜合飲料グループ戦略を推進させ、同地域のお客様に新たな価値を提供します。
キリングループは「おいしさを笑顔に」をグループスローガンに掲げ、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案していきます。
ライオンネイサン社株式取得に関する概要
| １． | 取得方法 | スキーム・オブ・アレンジメント |
| ２． | 取得時期 | ２００９年９月頃を目処に取得（予定） |
| ３． | 取得予定株式総数 | ２８７,７８６,２２０株（発行済株式総数の５３.８７％※１） |
| ４． | 取得金額 | １株につき１１.５豪ドル・・（約７９９円※２） 計 約３３億豪ドル（約２,３００億円※２） |
※１ 発表日時点におけるＬＮ社株式数に基づく ※２ １豪ドル＝６９.５円（２００９年４月２４日現在）
ライオンネイサン社 概要
| １． | 社名 | ライオンネイサン社（Lion Nathan Limited） |
| ２． | 本社所在地 | オーストラリア ニュー・サウス・ウェールズ州 シドニー市 |
| ３． | 代表者 | ロブ・マーレー（Rob Murray）※ＣＥＯ |
| ４． | 純資産および |
約８.７億豪ドル（約６０５億円）※1 （２００８年９月末時点）※２ |
| 総資産 | 約３１.９億豪ドル（約２,２１７億円）※1 （２００８年９月末時点）※２ | |
| ５． | 売上高および | 約２０.９億豪ドル（約１,４５３億円）※1 |
| 営業利益 | 約５.１億豪ドル（約３５４億円）※1 | |
| 当期利益 | 約２.７億豪ドル（約１８８億円）※1 （２００８年９月期）※２ | |
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| ６． | 従業員数 | 約３,０７１人 （２００８年９月末時点）※２ |
| ７． | 事業内容 | ビール事業、その他アルコール飲料事業 |
| ８． | 主要ブランド |
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| ９． | 主要製造拠点 | 計９工場（オーストラリア４工場、ニュージーランド５工場） ※ワイナリーおよびボトリング設備を除く |
| 10． | 沿革 |
１８６１年： ライオンブランドによるビール製造開始
１９２３年：１０のビール工場を合併し、ニュージーランドビール社を設立、後にライオン社と改名
１９８８年：ニュージーランド最大の小売店で、飲料メーカーでもあるネイサン社と合併、ライオンネイサン社に改名
１９９０年：オーストラリアのナショナル・ブルーイング・ホールディング社（スワンブルワリー、キャッスルメインブルワリー、トゥーヘイズブルワリーの保有会社）の株式を５０％獲得
１９９２年：ナショナル・ブルーイング・ホールディング社の残りの株式５０％を獲得
１９９３年：サウスオーストラリアブルワリー、ハーンブルワリー買収
１９９５年：Taihushui breweryへの出資を通じて中国市場へ進出
１９９８年：キリンビールによる資本参加
２０００年：本拠地をニュージーランドからオーストラリアに移動
２００２年：ニュージーランドのワインメーカーWinter Hillsを買収
２００４年：中国におけるビール事業を売却
２００８年：タスマニア州のビールメーカーであるJ Boag & Sonを買収 |