協和発酵キリンでは、高ADCC活性抗体作製技術「POTELLIGENT®」(ポテリジェント技術)と高CDC活性抗体作製技術「COMPLEGENT®」(コンプリジェント技術)を独自に確立しました。
ADCC活性は、ヒトが持っている免疫機構のひとつで、ナチュラルキラー細胞や単球などの白血球が、抗体を介してがん細胞などの標的細胞を殺傷する活性のことです。
ポテリジェント技術は、抗体の持っている糖鎖であるフコースの量を低減させることによってADCC活性を飛躍的に高める技術です。これまでに動物試験レベルでは、ポテリジェント技術を応用した抗体が、従来の抗体に比べ100倍以上高い抗腫瘍効果を示すことを確認しています。さらに、抗アレルギー抗体医薬の創薬にも寄与できることを確認しています。
同じく抗体医薬の活性を高めるのがコンプリジェント技術です。CDC活性は、補体(多細胞生物が異物に対し生体を守るため獲得した防御機構)を介して標的細胞を殺傷する活性のことです。コンプリジェント技術は、抗体医薬の標準的なアイソタイプであるIgG1にIgG3の一部分の配列を取り込む“アイソタイプキメラ”という手法で高いCDC活性をもつ抗体を作製する技術です。
これらの技術は、協和発酵キリンの抗体医薬開発だけでなく、同業他社との積極的なアライアンスにより成果を上げる医薬品製造のコアテクノロジーとなっています。
1、ADCC(抗体依存性細胞障害活性)
2、CDC(補体依存性細胞障害活性)
3、直接作用(増殖因子や、そのリセプター)ADCC・CDC非依存的アポトーシス誘導作用



「ヒト抗体」とはヒト由来抗体のことです。ヒトの体内で産生されるものと同じ抗体を、動物の体内で作製する際に、従来はヒト抗体遺伝子があまりにも大きいために遺伝子の一部しか導入できず、多様な抗体をつくることができませんでした。協和発酵キリンでは、非常に大きな遺伝子を塊として含むヒト染色体の断片をマウスに導入するヒト人工染色体作成技術(HAC技術)を考案し、米国メダレックス社のヒト抗体産生技術と融合させることでヒト抗体産生マウス(KMマウス)を生み出しました。
また、協和発酵キリンの完全子会社である米国ヘマテック社では、協和発酵キリンのHAC技術を応用することで、ヒト抗体を産生するウシを誕生させることに成功しています。このウシを免疫することでヒトポリクローナル抗体を産生する技術の実用化に向けた取り組みを進めています。ポリクローナル抗体は様々な抗原をもつ感染症に有用と考えられており、画期的な医薬品として期待されています。

