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トップメッセージ

KIRIN CSV REPORT 2020 トップメッセージ(動画)

不透明・不確実な時代だからこそ ぶれることなくCSV経営を貫く

日本では新たな時代「令和」が幕を開けた中、我々のビジネスを取り巻く環境は一層不透明感を増しています。日本においては大規模な台風や豪雨が発生し、オーストラリアでは森林火災が起きるなど、自然災害が頻発、激甚化しています。また、世界経済に影を落としてきた米中の貿易問題は長期化し、英国が正式にEUを離脱するなど、政治・経済情勢も混沌としています。さらに新型コロナウイルスのアウトブレイクは、我が国を含め世界に大きな混乱を巻き起こし、世界経済に多大な影響を及ぼしています。

そうした中キリングループは、長期経営構想「KV2027」の第1ステージである「2019年−2021年中期経営計画(2019年中計)」の2年目を迎えました。私は、このような不透明・不確実な時代だからこそ、ぶれたり迷ったりすることなく、しっかりとした「軸」をもってグループ経営を進めることが大切だと考えています。その確かな「軸」となるのが、2013年から取り組んできたCSV経営です。私たちが暮らす社会は、食や健康の問題、地域社会の問題、環境問題など、多くの課題に直面しています。キリングループは、自らの「強み」を生かし、事業を通じてそれらの社会課題の解決に取り組んでいきます。そして「社会的価値の創造」と「経済的価値の創造」を両立することによって、持続的な企業価値向上を追求していきます。

キリングループの「強み」を生かし 事業を通じて社会課題の解決に取り組む

キリングループの主力であるキリンビール、ライオン、ミャンマー・ブルワリーなどの酒類事業においては、世界的に強化されつつある飲酒抑制への動きが長期的なリスクとなっています。すでに欧米などでは厳しい広告規制が導入されていますが、アルコールの有害な使用の低減を目指すWHOの要請を受け、今後、国内外を含め飲酒抑制の動きは一層強まるものと予想されます。こうした中、キリングループでは、グローバルに適正飲酒推進・飲酒運転撲滅キャンペーンの展開、ノンアルコール飲料や健康に配慮した商品の開発と普及に注力しています。

代表取締役社長 磯崎 功典

国際社会の重要課題である気候変動も大きな事業リスクとなります。キリングループでは、2018年12月に日本の食品会社として初めて「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。提言に基づきシナリオ分析を実施し、気候変動が農産物の収量に及ぼす影響や、農産物生産地での気候変動による水リスク、炭素排出コストへのカーボンプライシングの影響について評価しました。今後も自社の環境負荷低減に取り組むのはもちろん、気候変動が事業に与えるリスクや機会について分析と対応を進めるとともに、情報の開示を進めていきます。
さらに国内では医療費抑制の流れが加速し、薬価の引き下げが続く見通しであり、医薬事業にとってリスクとなります。

キリングループの事業領域には、さまざまなリスクが存在しています。しかし、それぞれのリスクには何かしらの社会課題が潜んでおり、事業を通じてその解決に取り組むことで、新しい事業機会・成長機会を創出できると考えています。
キリングループは、創業から100年以上にわたり一貫して独自の発酵・バイオテクノロジーを培ってきました。さらに食領域を中心とした強いブランドとマーケティング力、国内外でのモノづくりで培ってきた高度なエンジニアリング力にも大きな強みをもっており、独自の発酵・バイオテクノロジーに、これらの強みを組み合わせることで、さまざまな環境変化に対応し世界でも稀な事業モデルへと進化させてきました。今後もこれらの技術や強みに一層磨きをかけ、CSV経営を加速させていきます。

食領域の収益力強化と医領域の飛躍的成長で持続的な成長の基盤を固める

2019年中計では「新たな成長を目指した、キリングループの基盤づくり」をテーマに掲げ、重点課題として「既存事業(食領域/医領域)の利益成長」「ヘルスサイエンス領域の立ち上げ、育成」「イノベーションを実現する組織能力の強化」に取り組んでいます。
既存事業の中でも、食領域では「収益力のさらなる強化」に注力し、2019年度は特にキリンビール、キリンビバレッジ、ミャンマー・ブルワリーなどで利益を拡大しました。食領域全体ではライオンにおいて課題が顕在化したものの、他事業会社によってカバーすることにより、収益力の強化は概ね堅調に進捗しています。
今後も継続して収益力強化を実現するためには、各事業における現在の戦略を継続するとともに高付加価値カテゴリーの強化が重要になります。そのため、日本、そして北米やオーストラリアなどにおいてもクラフトビールにおける成長機会を探索していきます。また、キリンビールは好調を維持していますが、国内の酒類市場においては、人口減少などに伴う市場縮小や段階的な酒税の一本化、嗜好の多様化などの環境変化が起こっています。こうした市場環境変化に対応できる強い組織をつくるために、業績好調な今こそ改革が必要と考え、組織構造・要員配置の適正化、間接業務の効率化など営業組織の改革を実行し、これまで以上にお客様や市場の変化に迅速・的確に対応していきます。
「飛躍的成長の実現」を目指して積極的な投資を実施してきた医領域においては、欧米においてグローバル戦略3品を上市し、売上も順調に推移しており、成長を牽引しています。今後もアンメットメディカルニーズなど、社会の要請に応える新薬を開発・上市し、グループの中期的な成長ドライバーとしての役割を担っていきます。
2019年中計の初年度は、既存事業領域である食領域、医領域とも順調に成果を上げており、持続的な成長への基盤固めが大きく前進したと実感しています。

ファンケルとの提携でシナジーを発揮し ヘルスサイエンス領域の商品開発を加速する

ヘルスサイエンス領域においては、ファンケルと資本業務提携契約を締結しました。「美」と「健康」を事業ドメインとする同社は、基礎化粧品や機能性表示食品などにおいて圧倒的なブランド力を有しています。また、エビデンスを追求する企業姿勢、応用研究を生かした商品開発、直販部門を含めたマーケティング力にも定評があります。一方、キリングループは、発酵・バイオテクノロジーなどの基礎研究に強みがあり、高機能アミノ酸、免疫、脳機能、腸内環境などに関する独自の機能性素材を豊富に有しています。
こうした両社の強みを融合することにより、シナジー効果として、2024年には55億円~70億円程度の事業利益を創出できると考えています。具体的には、両社のブランド力と研究開発力、保有する高機能素材を組み合わせ、飲料やサプリメントなどの新商品を順次発売する予定です。
さらに、素材開発という面においては、協和発酵バイオは非常に付加価値の高い素材を有しています。例えば、ヒトミルクオリゴ糖という素材です。ヒトミルクオリゴ糖は、母乳に含まれるオリゴ糖の総称で、ビフィズス菌が最も優勢となる乳児期の腸内フローラ形成に影響を与えることがわかりました。現在、グローバルカンパニーが機能性食品や粉ミルクに使用しており、注目の素材となっています。

ヘルスサイエンス領域における強固なバリューチェーンの構築

キリンホールディングスの事業利益への貢献額

現時点の見立てでも市場規模は2030年で1,800億円と言われていますが、本素材が非常に高単価であることが市場拡大にとって大きな課題となっています。協和発酵バイオが有する発酵技術・生産技術により、本素材の効率的な生産が可能になり、本素材を必要としている多くのお客様にお届けすることが可能になると考えています。
こうした商品・素材について、生活習慣病、脳機能、身体機能、免疫、腸内機能などの分野でのファンケルとの共同研究や、新事業開発などを推進していく計画です。すでにキリンの独自素材であるプラズマ乳酸菌を使用した「iMUSE」ブランドの商品を、ファンケルの国内ECチャネルおよび中国向け越境ECチャネルで販売を開始しました。今後も両社の取り組みを着実に進めていきます。

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ダイバーシティ推進やDXによって組織能力を高めイノベーションを起こす

代表取締役社長 磯崎 功典

これらの成長戦略を実現していくため、「イノベーションを実現する組織能力の強化」に取り組んでいます。今後の重点テーマの1つが研究開発体制の強化です。新しい知識や発想、スキルなどをもつ多様な人材を積極的に採用・登用していくほか、グループ内はもとよりビジネスパートナーとの共同研究・共同事業をさらに強化・充実させることによって、より多くのイノベーションを生み出せる組織体制へと変革していきます。また、グループの大きな強みであるマーケティング力についても、マーケティング部門だけでなくすべての部門でお客様の視点に立った取り組みを強化することで一層のレベルアップを図ります。

同時に、各業務を高度化・効率化するためDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進します。DXによって私たちが目指すのは単なる現状の改善ではありません。コストダウンやバリューアップ、ビジネスモデルを変革できるレベルにまで取り組みを進化させていきます。
さらにコーポレートガバナンスの一層の強化も不可欠であると認識しています。監督の面では、専門性を強化するため、各分野に造詣の深い新任独立社外取締役の拡充を行いました。また独立社外取締役を前年より大幅に増やし、客観的な立場から議論が行える体制にしました。さらに、中長期的な業績向上と企業価値増大へのインセンティブを目的に役員報酬制度の見直しを進めました。財務目標だけでなく非財務目標としてCSVコミットメントの進捗・達成状況度を評価項目に加え、CSV経営によりコミットしていきます。
執行の面では、研究開発体制の強化や健康事業推進室の設置など、執行における責任の明確化を行い、迅速・適切な事業運営が行える体制を確立しました。

取締役数と独立役員比率

キリングループは、これからも結果にこだわり、2019年中計の達成に全力を尽くすとともに、グループの総力を挙げてCSV経営を推進していきます。そして持続的な利益成長と中長期的な企業価値向上、株主還元のさらなる充実などを通じて、ステークホルダーの皆様のご期待に応えてまいります。今後も一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役社長
磯崎 功典

経歴

代表取締役社長 磯崎 功典

1977年、キリンビール入社。サンミゲル取締役、キリンホールディングス経営企画部長、同社常務取締役などを歴任。2015年、当社代表取締役社長に就任。

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