2008年8月25日

ナショナルフーズ社が、デアリーファーマーズ社との全株式売買契約に合意
〜 デアリーファーマーズ社の全株式取得に向けた優先交渉権者に決定 〜

 キリンホールディングス株式会社(社長 加藤壹康)の100%子会社であるナショナルフーズ社(豪州メルボルン市、CEO&マネージング・ディレクター アシュレイ・ウォー 以下NFL社)は、2008年8月25日、豪州第2位の乳事業会社であるデアリーファーマーズ社(豪州シドニー市、CEO ロブ・ゴードン 以下DF社)の全発行済み株式(126,957,492株)取得に向けた優先交渉権者に決定し、買収に関する基本条件について合意しました。買収予定金額は総額8.84億豪ドル(約840億円※1:有利子負債約2.09億豪ドル=約199億円を含む※2)です。
 ※1 1豪ドル=95円   ※2 遊休資産0.26億豪ドルを含む

 なお、本合意内容に関し、DF社の株主の75%以上の承認を得ることが必要であり、最終決定までには約3カ月を要する予定です。今後、NFL社は、DF社株主の承認獲得に向け、DF社と協働して株主への提案内容の説明にあたります。
 また、買収成立後には、DF社のチーズ事業については、ワーナンブールチーズ&バター社(豪州アランスフォード市、CEO ニール・カーニー)との合弁会社を設立し、事業運営にあたることで合意しています。

 当社は、長期経営構想KV2015で、アジア・オセアニアのリーディングカンパニーを目指すことを目標として掲げており、同地域において収益性を重視した「食と健康」領域での事業戦略を推進しています。
 DF社は、豪州でNFL社に次ぐ第2位の乳事業会社であり、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品の製造・販売を行っている、約2,000軒の酪農家で構成された協同組合組織です。今回の買収によりNFL社は、安定的な生乳調達による収益性の向上と、全乳製品カテゴリーで強力なブランドを獲得することによる販売拡大が期待されます。また、調達から生産、販売に至るあらゆる面でのシナジーを実現することで、さらなる成長を目指します。

 今後の業績見通しについては、上記の株主の意向を確認するプロセスの他、買収決定後、豪州における独占禁止法の関係で一部事業の売却などが発生する見込みで、現時点では未定のため、確定次第改めて開示致します。

デアリーファーマーズ社 概要

1.社名 デアリーファーマーズ社 (Dairy Farmers)
(正式名称 : Australian Co-operative Foods Limited)
2.本社所在地 オーストラリア ニュー・サウス・ウェールズ州 シドニー市
3.代表者 ロバート・F・ゴードン(Robert F Gordon)CEO
4.純資産および総資産 約2.06億豪ドル(約196億円)※1(2007年6月末時点※2
約5.82億豪ドル(約553億円)※1(2007年6月末時点※2
純資産の2.06億豪ドルには、Member’s share capitalの1.01億豪ドルを含む
5.売上高および営業利益経常利益 約11.75億豪ドル(約1,116億円)※1
約0.29億豪ドル(約28億円)※1(2007年6月末時点※2
約0.054億豪ドル(約5億円)※1
※1 1豪ドル=95円  ※2 デアリーファーマーズ社の決算期は6月
6.従業員数 約1,800人(2007年12月末時点)
7.事業内容 牛乳・乳飲料事業(2位)、ヨーグルト・デザート事業(2位)、チーズ事業(2位)、その他事業
※( )内の順位は豪州内市場シェア。
8.主要ブランド デアリーファーマーズ(Dairy Farmers:牛乳)、オーク(OAK:フレーバードミルク)、ムーヴ(Moove:フレーバードミルク)、スキー(Ski:ヨーグルト)、ティックアンドクリーミー(Thick & Creamy :ヨーグルト)、クーン(Coon:チーズ)
9.製造拠点 オーストラリア国内に12工場
10.沿革

1900年:The Dairy Farmers Co-operative Milk Co. Ltdとして設立

1935年:最初のミルクボトリング工場をシドニーに開設

1960年代半ば:コテッジチーズ、フレーバードヨーグルトの製造開始

1977年:Ultra High Temperature(UHT)製造ラインを導入

1989年:牛乳供給業者の吸収合併を続け、現在の正式名称であるAustralian Co-operative Foods(ACF)となる

1997年:COONチーズ、Mil Lel and Fred Walkerチーズを買収Cracker Barrelのライセンス獲得

2005年:新たな事業構造改革に着手し、生乳協働組合事業とそれ以外の製造・販売事業を分割

2008年:ナショナルフーズ社との全株式売買契約に合意

ナショナルフーズ社 概要

1.社名 ナショナルフーズ社(National Foods Limited)
2.本社所在地 オーストラリア ビクトリア州 メルボルン市
3.代表者 アシュレイ・ウォー(Ashley Waugh)CEO&マネージング・ディレクター
4.純資産および総資産 約6.8億豪ドル(約646億円)(2007年度)
約22.85億豪ドル(約2,171億円)(2007年度)
5.売上高および営業利益 約21.5億豪ドル(約2,043億円)
約1.2億豪ドル(約114億円)(2007年度)
※ 1豪ドル=95円
6.従業員数 約3,500人(2007年度)
7.事業内容 牛乳・乳飲料事業(46%:1位)、ヨーグルト・デザート事業(13%:ヨーグルト1位、デザート1位)、果汁飲料事業(27%:1位)、チーズ・グルメフード事業(10%:スペシャリティ・チーズ1位)、海外事業(5%)
※( )内の%はナショナルフーズ社売上高に占める割合。順位は豪州内市場シェア。
8.主要ブランド ピューラ(Pura Milk:牛乳)、ビッグエム(Big M Flavored Milk:フレーバードミルク)、ファーマーズユニオンアイスコーヒー(Farmers Union Iced Coffee:フレーバードミルク)、マスターズ(Masters:フレーバードミルク)、キングアイランドデイリー(King Island Dairy:チーズ)、タスマニアンヘリテージ(Tasmanian Heritage:チーズ)、ヨープレイト(Yoplait:ヨーグルト)、ベリー(Berri:果汁飲料)
9.製造拠点 計24工場(オーストラリア19工場、ニュージーランド1工場、マレーシア2工場、インドネシア2工場)
10.沿革

1991年:酪農家と食品企業の合弁で設立、オーストラリア証券取引所に上場

1992年:乳業会社を買収

1995年:大型買収を開始、「ヨープレイト(Yoplait)」ブランドの製造・販売権を獲得、翌年より販売開始

1999年:生乳「ピューラ(Pura)」ブランドを投入、オーストラリア初で唯一の全国展開の牛乳ブランドとなる

1999年:飲料分野を事業分割

2000年:フレーバードミルク「ビッグM」ブランドを買収

2001年:キングアイランド社を買収、スペシャリティチーズ市場へ参入

2002年:全国チェーンスーパーと初のハウスブランド牛乳の供給契約締結

2005年:サンミゲル社が全株式を取得

2005年:サンミゲル社果汁飲料子会社「ベリー(Berri)社」を統合

2006年:スペシャリティ・チーズ会社「ラクトス(Lactos)社」買収

2007年:キリンホールディングス社が全株式取得

2008年:デアリーファーマーズ社との全株式売買契約に合意