2012年8月8日

キリン食生活文化研究所 レポートVol.36
2011年 世界主要国のビール生産量

〜世界のビール生産量は27年連続で過去最高を記録、アジア・南米が伸長〜

 キリンホールディングス株式会社(社長 三宅占二)のキリン食生活文化研究所では、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき、2011年の世界主要国および各地域のビール生産量をまとめました。この調査は1974年分から統計開始しています。

トピックス
世界のビール生産量は、約1億9,271万kl (前年比3.7%増) で、27年連続で過去最高記録を更新。
地域別では、アジア (前年比8.6%増、構成比34.5%)が3年連続トップ。3位の中南米(前年比3.1%増、構成比16.5%)とともに、生産量増加に貢献。
国別では、中国(前年比10.7%増)が10年連続でトップ、アメリカ(前年比1.5%減)、ブラジル(前年比3.4%増)と続く。日本(前年比3.8%減)は昨年同様の7位。

 2011年の世界ビール生産量は、前年より約694万kl増(前年比3.7%増)の約1億9,271万klとなりました。東京ドームをジョッキに見立てると、約155杯分(東京ドーム1杯分は約124万kl)に相当します。世界のビール生産量は、1985年以降27年連続で増加を続けています。
 対前年増加率は3.7%増で、世界金融危機発生直後の2008年(0.7%増)、2009年(0.9%増)と比較すると、回復基調にあります。

1.地域別生産量(表1)
 地域別では、北米を除く全ての地域において、対前年で増加しました。
 3年連続トップのアジア(前年比8.6%増)は、中国(前年比10.7%増)、インド(前年比18.6%増)、ベトナム(前年比4.9%増)が増加に貢献しました。
 3位の中南米(前年比3.1%増)は、9年連続で増加しており、昨年同様にブラジル(前年比3.4%増)が貢献しました。
 北米(前年比1.5%減)は、4年連続で減少しています。
 アフリカ(前年比7.5%増)は、南アフリカ(前年比4.3%増)、ナイジェリア(前年比11.3%増)が貢献し、11年連続で増加しています。
2.国別生産量(表2)
 ブラジル(前年比3.4%増)は前年の18.2%の大幅増からさらに増加し、2年連続で3位となり、4位ロシア(前年比4.2%減)との差を広げました。
 トップ10の順位は昨年と変化がなく、中国(前年比10.7%増)が10年連続でトップとなりました。日本(前年比3.8%減)は7位で、震災の影響や生活防衛意識の高まりが減少の理由と考えられます。
3.10年前との比較(表3)
 2011年の世界ビール生産量を10年前と比較すると、約5,061万kl(35.6%増)の増加となりました。
 上位10カ国でみると、中国(118.0%増)はこの10年で2倍以上に増加しており、ブラジル(56.2%増)、ロシア(56.5%増)、ポーランド(56.8%増)も大きく増加しました。
  • 注:日本の生産量については、ビール、発泡酒、新ジャンルの合計
  • 出典:各国ビール協会などへのアンケート調査 (当社が実施したもの)
    The Barth Report Hops 2010/2011 (BARTH-HAAS GROUP)

(表1)2011年 地域別ビール生産量

■地域別ビール生産量と増加率・構成比

  • 日本の生産量に関しては、ビール、発泡酒、新ジャンルの合計
  • 四捨五入のため、合計値が一致しない場合がある

■2011年地域別ビール生産量構成比

【解説】

  • 北米を除く全ての地域で増加。
  • 3年連続トップのアジア(前年比8.6%増)は、中国(前年比10.7%増)、インド(前年比18.6%増)ベトナム(前年比4.9%増)が増加に貢献。構成比も対前年で1.2ポイント増加し、34.5%となった。
  • 中南米は、9年連続で増加。
  • 昨年は前年割れをしたヨーロッパは、回復し前年比0.2%と増加。

(表2)2011年国別ビール生産量

  • 日本の生産量については、ビール・発泡酒・新ジャンルの合計
  • 四捨五入のため、合計値が一致しない場合がある

【解説】

  • ブラジルは、前年比3.4%増。前年は18.2%増と大幅な伸び率だったが、依然増加傾向は続いている。国内経済が好調で、個人所得の増加が持続していることが要因と思われる。
  • 中国(構成比25.4%)は、10年連続でトップ。国別構成比を昨年から1.2ポイント伸ばし、初めて25%を超えた。
  • アメリカは、経済不安と失業率の高さが影響したと思われ、前年比1.5%減。
  • ロシアは、2010年の増税の影響を受けて下降が続いている。
  • 日本(前年比3.8%減)は昨年同様の7位で、震災の影響を受けたことや、生活防衛意識の高まりが続いていることが減少の理由と考えられる。

(表3)2011年国別ビール生産量〜10年前との比較〜

  • 日本の生産量に関しては、ビール、発泡酒、新ジャンルの合計

【解説】

  • 2011年の世界ビール生産量を10年前と比較すると、増加量は約5,061万kl(35.6%増)となった。増加量が最も多いのは中国で約2,652万kl、ブラジル475万kl、ロシア354万klと続く。

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