2012年10月17日

<参考資料>
「プラズマ乳酸菌」のインフルエンザウイルス感染予防作用を確認
〜ウイルス感染マウスへの混餌投与(経口投与)で有意性を確認〜

 キリンホールディングス株式会社(社長 三宅占二)のフロンティア技術研究所(横浜市金沢区、所長 水谷悟)は、小岩井乳業株式会社(社長 布施孝之)と共同で、プラズマ乳酸菌(Lactococcus lactis JCM5805株、図1)※1が動物やヒトにおいてウイルス感染防御における免疫賦活効果を示すことをこれまでに確認していますが※2、このたびプラズマ乳酸菌(JCM5805株)の混餌投与によるインフルエンザウイルス感染予防作用を確認し、11月13日開催の第60回日本ウイルス学会学術集会で発表します。

 乳酸菌は、整腸効果やアレルギー改善効果、感染防御効果など、その機能性を多く研究されている食品素材のひとつです。当社でも、食品素材の免疫賦活作用を研究しており、その一環としてこれまで乳酸菌の研究を行ってきました。プラズマ乳酸菌(JCM5805株)の研究は2010年から行っており、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)を摂取することで、ウイルス感染防御における免疫賦活効果を示すことがすでに確認されています。今回は、インフルエンザウイルス感染に対する予防の可能性について、動物試験を行いました。

 今回の試験では、マウスに致死量のマウスパラインフルエンザウイルス(センダイウイルス)を経鼻感染させ、ウイルス接種14日前から飼育終了において、標準食を投与するマウス群(A群)と、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)1mg/日の混餌を投与するマウス群(B群)の観察を行いました。その結果、A群はウイルス感染後10日以内に全てのマウスが死亡したのに対して、B群は約7割のマウスが生存しました。B群には、運動低下や不整呼吸のような病気症状もほとんど認められず、ウイルス感染による体重低下もA群に対し有意に抑制されました。また、感染初期の肺病理検査では、肺中に浸潤する炎症細胞数の明らかな低下も観察されました。さらに、B群には、これまでの研究でも確認されている通り、免疫細胞が多い脾臓中のプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)※3の活性化も認められました。(図2)

  • ※3 1997年に血液中から発見された新しい免疫細胞。体内でウイルス感染防御を専門的に担っている。

 これらのことから、口から摂取したプラズマ乳酸菌(JCM5805株)が、インフルエンザウイルス感染に対して予防作用を示す可能性が確認されました。今後は、乳製品などへの応用と合わせて、詳細な摂取量や摂取期間なども解明していきます。

 キリングループは「おいしさを笑顔に」をグループスローガンに掲げ、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案していきます。

■図1 プラズマ乳酸菌

■図2 プラズマ乳酸菌添加によるpDC活性化の様子

(2012年11月15日追記)
パラインフルエンザウイルス感染実験結果


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