2012年12月26日

キリン食生活文化研究所 レポートVol.39
2011年世界主要国のビール消費量

〜消費量は26年連続増加。アジアは引き続き好調、中南米・アフリカも消費を牽引〜

 キリンホールディングス株式会社(社長 三宅占二)のキリン食生活文化研究所では、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき、2011年の世界主要国、地域および各国民一人当たりのビール消費量をまとめました。この調査は1975年分から統計開始しています。

トピックス
世界の総消費量は、約1億8,878万kl(前年比3.8%増)で、26年連続の増加。東京ドームをジョッキに見立てると、約152杯分に相当。
国別では、中国(前年比10.7%増)が9年連続で世界No.1。上位25カ国では、ベトナム(前年比14.8%増)が高い増加率となった。
地域別では、10年以上増加を続けるアジア(前年比8.4%増)が35.1%の構成比を占めている。また中南米(前年比3.7%増)、アフリカ(前年比6.9%増)が全体の消費を牽引した。新興国の伸びが反映したアジアと中南米を合わせると51.4%の構成比となり、初めて50%を超えた。ヨーロッパ(前年比0.4%増)は4年ぶりの増加。

 2011年の世界のビール総消費量は、前年より約690万kl(大びん633ml換算で約109億本)増え、約1億8,878万kl(前年比3.8%増、大びん換算で約2,982億本)で、26年連続の増加を記録しました。東京ドームをジョッキに見立てると、約152杯分(東京ドーム1杯は約124万kl)に相当し、前年から約6杯分の増加となりました。

1.国別ビール消費量(表1)
 中国が2003年から9年連続で1位となりました。堅調な伸びを続ける3位ブラジルが4位ロシアとの差を広げました。上位14カ国までは昨年から順位の変動はなく、日本(前年比3.7%減)は7位。また増加率では、上位25カ国のうちベトナム(前年比14.8%増)、中国(前年比10.7%増)が二桁増となりました。
2.地域別ビール消費量(表2)
 アジア(前年比8.4%増)が大幅増加しました。中南米(前年比3.7%増)とアフリカ(前年比6.9%増)も全体の消費を牽引しました。
 中南米はブラジル(前年比3.5%増)、アフリカは南アフリカ(前年比2.5%増)など地域内の上位国が貢献。
 ヨーロッパは、上位25カ国では、5位のドイツ(前年比0.2%減)や、8位のイギリス(前年比2.2%減)など上位国がマイナスの中、9位のポーランド(前年比4.8%増)などが貢献し、前年比0.4%増となり、4年ぶりに増加しました。
3.国別一人当たりビール消費量(表3)
 チェコが19年連続で1位となりましたが、大びん換算で1.8本の減少となりました。上位35カ国のうち、昨年より消費量の伸びた国は20カ国でした。日本の一人当たり消費量はアジアで最も多い43.8Lで41位、大びん換算で69.2本(前年比2.5本減)という結果でした。
  • 注:日本の消費量については、ビール・発泡酒・新ジャンルの合計。
  • 注:前年(2010年)の値は、今回の調査時点で変更されている場合、新しい値を使用。
  • 出典:各国ビール協会などへのアンケート調査(当社が実施したもの)
    The World Beer Market: The 2012 Survey (ERC Group)
    The Barth Report Hops 2011/2012 (BARTH-HAAS GROUP)

(表1)2011年 国別ビール消費量

【解説】

  • 世界の総消費量は、約1億8,878万kl。世界的に経済が好調とは言えないものの、前年比は3.8%増と26年連続の増加。
  • 中国(前年比10.7%増)は、2003年から9年連続で1位。人口増加や経済成長に伴う生活水準の向上などが継続しており、都市部を中心に飲用層は拡大している。
  • ブラジル(前年比3.5%増)は、経済成長による所得増や人口の拡大が続いており、増加。
  • インド(前年比5.0%増)は、一人当たりの消費量は少ないものの、人口増加や経済成長に加え販売店の増加や物流網の整備、また海外企業の進出などにより、近年消費量が伸びている。
  • ロシア(前年比0.6%減)は、低迷する経済情勢や増税などの影響を受け減少。BRICs諸国中では唯一マイナスとなった。
  • 日本は、順位に変動は無いものの、嗜好の多様化などの影響により、3.7%の減少となった。

(表2)2011年 地域別ビール消費量

  • 日本の消費量については、ビール・発泡酒・新ジャンルの合計

【解説】

  • 地域別では、アジア(前年比8.4%増)が10年以上増加を続け、構成比を35.1%に拡大。ヨーロッパは前年比0.4%増、北米は前年比1.2%減、中南米は前年比3.7%増、アフリカは前年比6.9%増となり、新興国を中心に消費が増加している。
  • アジアは、昨年に引き続き中国(前年比10.7%増)やベトナム(前年比14.8%増)、インド(前年比5.0%増)などが牽引。
  • ヨーロッパは、ポーランド(前年比4.8%増)などが牽引し、前年比0.4%増。
  • 中南米は、ブラジル(前年比3.5%増)が牽引し、前年比3.7%増。
  • 伸長国の多いアジアと中南米を合計した構成比は初めて5割を超えた。

(表3)2011年 国別一人当たりビール消費量

【解説】

  • チェコは19年連続で1位となったが、昨年と比較すると、大びん換算で1.8本のマイナスとなった。
  • 上位35カ国では、昨年より消費が伸びた国は20カ国で、昨年の8カ国を上回った。
  • 過去10年で見ると、連続して一人当たり消費量を伸ばしている国は中国のみで、10年前の2002年と比較すると1.7倍に増えている。

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