2016年4月8日

2016年度「国連大学キリンフェローシップ」プログラムを支援
〜24期目を迎え、フェロー117名を受け入れサポート〜

　キリンホールディングス株式会社（社長 磯崎功典）は、キリングループが社会的課題の解決に取り組む共通のテーマである「食の安全・安心」および「健康」の一環として、アジアの抱える食糧問題の自主解決を目指した、食品科学研究員育成をサポートする「国連大学キリンフェローシップ」を本年も支援します。フェローは、それぞれの研究テーマについて1年間、茨城県つくば市にある国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門の指導のもと研究活動を行います。
　また、4月8日（金）に国際連合大学本部（東京都渋谷区）にて、2015年度フェローの研究成果発表会とプログラムの修了式を開催します。

　近年、アジア諸国は大きな経済発展を遂げていますが、一方で、慢性的な食糧・栄養不足などの多くの食糧問題を抱えています。このプログラムは、フェローたちが、食品科学分野における基礎研究・応用技術の研究を行い、習得した知識と技術を各々の国で普及させ、食糧問題の自主解決を図ることを支援し、ひいてはアジア諸国の振興・発展に貢献することを目的としています。当社は、「食と健康」を事業領域とするグループとして、1993年から継続的にこのプログラムを支援し、これまでアジア各国から毎年5名の研究員を受け入れています。24期目となる2016年度は、バングラデシュ、スリランカ、ベトナム、タイの4カ国から新たなフェロー4名を受け入れ、累計で117名となります。

　「国連大学キリンフェローシップ」に参加する研究員は、アジアの各大学や研究機関の推薦を受けた優秀な代表者の中から、国際連合大学とその提携機関の一つである国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門により選出します。フェローたちは、同研究所で1年間の研修活動を行うほか、学会・国際シンポジウムなどへの参加を通じて見聞を広め、ネットワークを構築します。また、当社の研究所・工場ならびに国内の大学研究室などへの訪問を通じて、日本の文化や社会についての理解も深めていきます。1年間の研修活動を終えた後も、帰国後の研究開発に要するフォローアップ支援費を支給することで、日本とアジア諸国との学問領域を超えた長期にわたる交流に貢献します。

　キリングループは、あたらしい飲料文化をお客様と共に創り、人と社会に、もっと元気と潤いをひろげていきます。

「2016年度新フェロー」（2016年4月〜2017年4月予定）

ウディン　ムハマド　ナジム（バングラデシュ）

所属：

バングラデシュ農業研究所　園芸研究センター サイエンティフィックオフィサー

研究テーマ：

「収穫後損失の最小化を目指した果物と野菜の新鮮さを保つ高圧処理法の開発」

ラナトゥンガ　マハセン　アチンティヤ　バンダーラ（スリランカ）

所属：

スリランカ紅茶研究所　主任研究オフィサー

研究テーマ：

「分光学を用いた茶の迅速分析法に関する研究」

グエン　シ　レ　タイン（ベトナム）

所属：

バイオテクノロジー研究所　研究員

研究テーマ：

「発酵微生物の機能解析に関する研究」

スティウィジットプクディ　ナタポーン（タイ）

所属：

カセサート大学（KAPI）　研究員

研究テーマ：

「食品の褐変についての分光学的解明に関する研究」

「2015年度フェロー」（2015年4月〜2016年4月修了）

エク　ソフィップ（カンボジア）

所属：

カンボジア王立農業大学研究所　副学部長

研究テーマ：

カンボジア産大豆発酵食品からの抗菌物質生産性枯草菌の分離およびその抗菌能力の評価

ヤスミン　サビーナ（バングラデシュ）

所属：

ダッカ大学　教授

研究テーマ：

AMP法によるナス検出のためのナス種共通内在性配列の検討

ユリアナ　ナンシー　デビ（インドネシア）

所属：

ボゴール農業大学　主任准教授

研究テーマ：

メタボローム解析を用いた米糠と野菜の免疫調節成分の同定

ウドムラティ　サンサニー（タイ）

所属：

カセサート大学（IFRPD）　研究員

研究テーマ：

マイクロチャネル乳化を利用したキシロオリゴ糖によって安定化されたエステル水中油滴エマルションの作製および特性評価

グエン　ティ　トゥエット　ニュン（ベトナム）

所属：

バイオテクノロジー研究所　研究員

研究テーマ：

ベトナムのエビ発酵調味料から単離した乳酸菌の食餌性肥満モデルマウスにおける脂質低下作用