[ここから本文です。]

当社ミャンマー事業に関するアムネスティ・インターナショナルからの質問への対応進捗報告について

2018年6月15日付リリースに関して、2017年9月1日にミャンマー・ブルワリー・リミテッド(以下「MBL」)による6,000米ドルの寄付に関する当社の調査について、ご報告いたします。
Amnesty Internationalによるリリースに関する弊社見解について (2018年06月15日)

6,000米ドルの寄付に関する調査

当該寄付は人道支援を目的とした寄付要請を受け、あくまで人道的な目的に使われる前提で実施されたものですが、これがミャンマー国軍に対して実施されたのではないかというアムネスティ・インターナショナルの指摘に真摯に対応するべく、当社は調査を実施いたしました。その結果、6,000米ドルは銀行送金によってラカイン州政府へ送金されたことを確認しています。しかしながら、現時点では、当該寄付が本来意図していたとおり、人道支援目的に使用されたことを最終的に確認するまでには至っておりません。

人道支援を目的とした当該寄付の使途について十分な説明ができないことは遺憾であり、MBLにおけるより明確な人道支援寄付方針と厳格なデューデリジェンス、フォローアップ体制の必要性を認識しております。当社は引き続き調査を継続するとともに、チェック機能の強化に向けた対応を迅速に進めてまいりました。

アクションプラン

これまでの調査結果をふまえ、当社は以下のアクションプランを実施しております。

  1. 今回のアムネスティ・インターナショナルからの指摘を受け、寄付に関するポリシーとデューデリジェンスの改善が実現できるまで、MBLによる新規の企業寄付を見合わせました。
  2. MBLの企業寄付方針について社外コンサルタントによる精査、検討を行い、その監修のもと8月に人道支援寄付及びボランティア活動方針を新規に制定いたしました。本方針の概要は下記の通りです。
    • 本方針は10月にMBLの取締役会によって承認され、詳細はMBLの企業ウェブサイトにてご覧頂けます。なお、本方針は2019年にMBLの行動規範の一部として統合される予定です。
      MBLコーポレートサイト
    • 本方針はMBLのコーポレート・シチズンシップ(企業市民)として人道支援活動の透明性を担保することを目的として制定されました。本方針は、MBLは、教育、健康、スポーツ、災害救助といった分野において、また民族、社会的背景、宗教に関わらずコミュニティにおけるすべての人々のために活動する正当な社会活動団体のみを支援する、と規定しています。本プログラムの目的は人道支援のみに絞られており、MBLは政治的に中立な活動のみに対し支援を行います。
    • MBLはこれらの人道支援寄付について、企業による社会との関わりの重要な一環として認識しておりますが、MBLは支援を要請する主体と、要請されている支援内容について深く理解する必要があります。当社は同独立コンサルタントを起用し新人道支援寄付及びボランティア活動方針に基づく社内実施ガイドラインを制定いたしました。本ガイドラインには、支援を要請している主体が人道支援寄付方針の基準要件を満たすかどうかをMBLが評価するためのチェックリストが含まれています。また、寄付の使途について適切な透明性が確保できるよう、支援要請の主体が寄付の使途についてどのような証拠書類を揃えるべきかといったことについても規定しています。
  3. 本方針およびガイドラインの新規施行にあたり、11月にはMBLの社長、副社長は、各部門長を含む経営幹部を対象としたトレーニングを実施しました。本方針の理解徹底を図るとともに、本ガイドラインをいかに実施に移すかといったことに関する実践的な内容です。
  4. 新規企業寄付及びボランティア活動方針と、人権の尊重における当社のより広範なコミットメントにおける本方針の位置づけについて、合弁パートナーであるミャンマー・エコノミック・ホールディングス・リミテッド社に十分に理解を得るために、8月および10月には同社との会議を開催致しました。
  5. 新規企業寄付及びボランティア活動方針のコンプライアンス順守と改善項目の洗い出しに向けて、定期的に社内監査を実施することと致しました。
  6. なお、かねて計画していたキリンのミャンマー事業における人権影響評価についても、社外独立コンサルタントを起用し迅速に進めました。評価結果とそれに基づくアクションプランは当社のウェブサイトからご覧頂けます。
    キリングループの人権尊重に向けた取り組み